緊張するのはいくつか原因があります。おもな原因別に対応を考えましょう。
みんなで会議室に集まって参加する会議と違ってWeb会議は、ひとりひとりが画面に映し出されることと、1人で英語でやり取りをするため、緊張感が高まりがちですよね。
この記事では緊張する原因を3つ取り上げて、どうやって対処したらよいかをご紹介します。
Web会議で緊張する原因とその対処法
原因1.周りからの評価が気になる: 英語が話せない、ヘタだと思われたらどうしようと気になる
日本では中学の3年間と高校3年間、大学の4年間を足すと、長い人では10年間の英語教育を学校で受けることになります。その間ずっと英語の試験がありますので、英語イコール「間違えたら減点されるもの」「入学試験で英語の試験ができないと不合格になる」と不安を感じる条件反射が染みついている人が少なくありません。
その結果、Web会議で英語ではなそうとすると「間違えたらどうしよう」「伝わらなかったらどうしよう」と実際に話す前に不安に陥り、頭が真っ白になる、心臓がドキドキして思うように話せない」「単語を度忘れする」いといった「緊張した状態」になります。
対処法: こんなふうに考えてみよう。英語力より、伝える内容
たしかにWeb会議で英語力が測定されていて、後で評価結果が送られてくる、公表されるとしたら、英語力が気になりますよね。でも、実際はどうでしょう。
会議とは「解決したい課題を複数の人間が意見や情報を持ち寄って、限られた時間の中で解決する」集まりです。今のグローバル化された社会では共通語が英語で会っても、英語が母国語でない人も当然います。
となると、あなた以外の参加者は、あなたの英語力ではなく「どんなアイデアや情報をもってきてくれるだろう?」が気になっているはずです。ですので「英語を上手に話そう」よりは、自分はどんな意見や情報を提供したら、会議で結論を出すために役に立つだろう、ということに意識を集中しましょう。
そうすると、緊張しないための準備とは「Web会議の議題は何か」「結論を出すために自分が提供できるアイデアや情報は何か」をしっかり確認しておきましょう。
原因2. 話の内容に自信がない: 実は日本語でも意見や伝えたい情報が決まっていない
Web会議で英語ではなすとき、何を話したらいいか分からなくなる時は、日本語でも話す内容が決まっていないということはないですか?そういう時はたとえWeb会議が日本語でも、しどろもどろになってしまって緊張するはずです。
特に英語は、説明から始める日本ごとは逆に、初めに結論を伝え、その後で理由や裏付けを伝えます。そうなると結論がでていないのに、外国語で話すというのは相当なプレッシャーを感じて、ドキドキ感や、手や声の震え、冷や汗をかくといった「緊張状態」になるのは自然なことです。
対処法: こんな準備をしよう。何をどういう順番で準備するか
1.まずはその会議で自分が何を求められているか、それに対して何が提供できるか、会議の前に普段のリラックスした状態で日本語で考えてみましょう。
たとえば○○について日本国内の業界シェアの割合の資料を用意したらよいとか、それに対して自分はこうしたらいい、という提案をしたらいい、などです。
2.意見や伝えたい情報が決まったら、それを英語でどう話すか?順番を決めて、言葉遣いを予め決めます。
順番は英語ですから「結論ファースト」に組立てます。そのあとで、結論の裏付けを話す順番を決めます。
3.それが出来てから、初めて、それを発言するための英単語と言回しを調べます。もちろん辞書を使ってもいいですし、最近普及してきた自成AIを利用してもいいでしょう。
原因3.ネイティブスピーカーや英語が上手な人に圧倒されて話に入れない
私にも経験があります。アメリカの証券会社にいたころ、英語での仕事歴はまだ数年でした。ふだん日本語で親しくやり取りをしていいるバイリンガルのアメリカ人同僚たちが、ひとたび会議が始まるとネイティブスピーカーに変身してしまうのです。まだまだ英語に自信がないのに「私も同じくらい上手に話さなければ」と焦ると気持ちが追いつめられて、ますます緊張して話せなくなりました。
実はあとから振り返ると解決方法は場数を踏んで慣れること、「場慣れ」なのですが、それには時間がかかりますよね。では今の英語力でも気後れせず話に入れる方法を考えてみましょう。
対処法: 発言の切れ目に自分から手を挙げながら話に入ろう
1.まず気持の問題についてです。ネイティブスピーカーやバイリンガルの同僚たちはあなたの英語力を気にしてはいません。逆に日本人なのに英語がうまくなくても一生懸命発言して、会議の結論をだすことに貢献していれば「がんばっている」という評価をするでしょう。万が一、英語力を話のネタにするとしたら、その人は評判を落とすでしょう。ネイティブスピーカーでない人を英語力で下に見るとしたらそれはビジネスパーソンとしてのマナー違反です。
2.ではどうやって話に入っていくか、ということです。
他の人たちの発言の切れ目に手を挙げながら話始めます。
英語が共通語の話し合いの場では「はい、どうぞ」と指名されるのを待つことなく話始めることが普通です。指名を待つことはありません。
もし他の人と発言のタイミングがかぶったら、Go ahead
どちらかがその場の成り行きで「お先にどうぞ」”Go ahead”と譲ることになります。もしGo aheadと言われたら、全く遠慮はいりませんので自分の意見を言いましょう。
3.英語で発言する、となると長い文章を早口で話すのがカッコいいというイメージがありそうです。でも実際はそうではありません。言葉数少なく、とつとつと話す人はネイティブスピーカーにも居ます。
自由に話せる日本語ならこう言うのになあ!とはっきり決めてから英語で発言する。
個人的な経験ですが、私の過去の日本人上司の中に日本語も英語もゆっくり言葉少なく話す人がいました。でも彼が人前で話し始めるとその場の全員が静まり返って話に耳を傾けました。話の内容がいつも的を得ていて説得力があったからです。英語で話す前に「日本語の自分なら何を伝えたいか」と伝えることをはっきり決めてから英語にしましょう。
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この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身
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TOEICテストでおおむね600点代~800点代で英語が話せない人が、英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。
ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。
25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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