英語での自己紹介は自分に興味を持ってもらう、自分を覚えてもらえることを話します
初めて会った相手には自己紹介をしますよね。日本企業同士の顔合わせの場では、多くの場合、名前と会社名、部署名を伝えるくらいで、個人情報は入れません。
一方で英語での自己紹介となると相手を惹きつけるために自分の有能さ、実績と、親しみを持ってもらうためにプライベートに関する情報を入れるという違いがあります。
以下、ポイントを3つに絞ってお伝えします。
名前を伝えた後で、自分を何と呼んで欲しいかを伝える
日本人同士で初対面の時と同様、英語で仕事をするときも初めは自己紹介が必須です。なぜなら相手のことを知らないままいきなり仕事をすることはないですから。
学校で習った英語の自己紹介の典型は:
私の名前は ナカムラ ヒロシです。お会いできてうれしいです。
My name is Hiroshi Nakamura. Nice to meet you.
英語の自己紹介ではこのあと、「〇〇と呼んでください」と何て呼んで欲しいかを自分から伝えます。すぐに続けて;
ヒロシと呼んでください
Just call me Hiroshi.
と最初から周りの人が解りやすい、覚えやすい、言いやすい呼び方を伝えます。なぜなら日本人の名前に馴染みのない外国人には覚えられません。
先ほどのヒロシさんなら縮めて Hiro でもいいでしょう。
でもこれって、本当の名前じゃなくていいの?と不安になるかもしれませんね。大丈夫です。
元アメリカ大統領の Bill Clinton だって本当はWilliam Jefferson “Bill” Clintonです。
また、Robertという名前はしばしば Bob.
Elizabeth なら BethやLiz
英語名では子供でも発音しやすいように通称をニックネームにしていることが多く、それを公の仕事に使っている例も少なくありません。
大切なことは
憶えやすい
発音しやすい(呼んでもらえる)
ということ。
相手の身になったら自然なことですよね。ちなみに私もインドとタイの方のお名前は覚えるのが難しいことが多いです。
英語圏のかたからすると日本人の名前も馴染みがありません。
元の名前の一部を残しながらも例えば;
タカシさんなら Tak
マサシさんなら Matt
元気な女性なら Vivian(vividだから)
こんなふうにしている人もいます。
例外としてSuzuki, Honda, Kawasaki, Toyota あたりは自動車メーカーとして世界的に有名な日本ブランドなので、すぐに覚えてもらえます。
またフォーマルで初対面であればフルネームでの自己紹介の方が相応しい時もあります。
先頭を切って自己紹介する人の様子を見ると、その場に相応しいトーンがつかめます。
フルネームで自己紹介するときに気を付けること
フォーマルな席でフルネームで自己紹介する場合、さきほどのナカムラ ヒロシさんなら
My name is Hiroshi Nakamura.
ですが十中八九の人が
Hiroshinakamura
と、緊張して思わず早口になって一続きに、だだだだだだだだだだとしゃべりがち。
それを聞いた日本人の名前に馴染みのない外国人は、長いファーストネームだと誤解するのと、覚えるのをあきらめてしまいがちです。
それを防ぐには
Hiroshi Nakamura
というようにファーストネームとファミリーネームの間をタップり2テンポくらい間を空けてください。
自分に興味を持ってもらえる情報を入れる(謙虚さはマイナス)
結論を先に言ってしまうと自分が有能であること、実績があることを伝えます。
その結果、聞き手に;
「この人の話を聞きたいと思ってもらう」
「この人と一緒に仕事をしたいと思ってもらう」
という感情を起こさせます。
これの行動を”Buy-inをとる”と言います。もともとは「取り引きで大量に買い付ける」と言う意味です。英語で仕事をしていると、よく
I need to get buy-in from my supervisor.
上司の支持をとらなくちゃ。
などと言います。
辞書では
「値上がりを見越してたくさん買い込む」(Weblio)
という意味が取り上げられています。
すでに10年くらい前の時点で私も、周囲の英語を話す同僚たちも「支持や承認を得る」という意味で使っていました。
先ほど出てきたプロジェクトの Kick-off Meeting (メンバーの初顔合わせ)や商品・サービスを買ってもらうためのプレゼンの冒頭でも
聴き手の Buy-in を取るのが重要なのは;
「この人だれ?大丈夫なの?」と思われるよりも
「この人の話なら聞いてみたい」「この人を支持したい」
と期待されるほうが 提案が受け入れられ、こちらが思ったような行動を相手から引き出しやすいからです。
具体的には;
① 専門性(学位や経験)
② 受賞歴や専門分野での論文実績
③ 今回の仕事で、どんなことで業績に貢献できるか、それが嬉しいこと
日本人同士だと自分で自分の有能さをアピールすることはありませんが、英語圏の文化だと、当たり前に自分の有能さをアピールします。
それはチームやグループの仲間として受け入れられ、活躍する場を手に入れるためです。察して声を掛ける日本語の文化と違って英語圏の文化では言わないことは伝わらないのです。
ではこの4項目の具体例をあげてみましょう。
① 専門性(学位や経験)
日本語の時と同じように 名前、所属 に追加して「聴き手から自分をどう覚えて欲しいか」を考えましょう。
例えば私の場合は;
私は採用と育成の専門家です。
I’m a specialist in Recruiting and Development.
私は人材開発の専門家です。心理学修士を取得しています。
I’m specialized in Development. I have Master’s Degree in Psychology.
という言い回しをします。謙虚で自分からはあまり売り込まない日本語に慣れていると少し違和感がありますよね。
「自分で自分をSpecialist 専門家だなんて」とか、こんなことは学位や高い専門性がないと名乗れない。と思いがちですが、英語では心配ありません。
例えばある分野のことをよく知っていて、仕事にも活かしているなら「専門家 Specialist」です。
② 今までの経歴(専門分野、達成事項)
例えば長年人事部でマネジメントをしていて専門分野は人材育成。プロジェクトで社長賞をもらったことがあれば、自分から言うことをお勧めします。
私は人事の管理職を10年以上しています。
I’ve been serving as a manager in Human Resources for more than 10 years.
私はプロジェクトの達成で社長賞を受賞しています。
I received President Award by the accomplishment of a project.
③ どうやって皆さんのお役に立てるか
自分がこのプロジェクトやミーティングに役に立てることを印象付けたいという思いを伝えると仲間として迎えられやすくなります。
自分の得意分野、または自分がメンバーにいることでどんないいことがあるかを、時にはユーモアを交えて伝えましょう。
どうしていいか見失っちゃったときでもムードを良いほうにすることができます。
I’m good at bringing you a good mood when we can’t find where to go.
私が野球のバッターとして大谷翔平に劣ると思う人がいるかもしれませんが、私は統計データの分析では優秀です。
Some people may think I am less good as a batter than Shohei Otani,
I’m excellent in statistical data analysis.
日本語スタイルの謙虚な自己紹介はキケン
日本人の自己紹介によくあるパターンは
「まだまだ未熟ものなので、皆さんにご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
という自分を卑下するタイプです。定番と言ってもいいでしょう。
でもこれを英語に直訳すると
I’m immature to do this work. I may bother you during the service.
I would like you to welcome me as a member of this group.
普段英語の自己紹介を聞きなれている人たちは、
「え?不慣れでほかのメンバーに迷惑をかけるかもしれないの?
そんな人欲しくない。他の人と入れ替えて欲しい」
とギョッとします。
英語で仕事する人たちは目標管理で成果を測り、成果でお給料や昇進が決まるので謙虚さは決して美徳にならないのです。
極端な話、プレゼン未経験なのに上司に「プレゼンは自分でやりなさい」と任された場合、本当は不安で断わりたくても
Sure! と引き受けて
「当日までにできるようにすればいい」のです。
自己紹介に自信がなくてどうしたらいい?とメールで無料相談をしてみたい方は
こちらからお問合せが出来ます。
押し売りはしませんのでご安心ください。
【著者による動画教材】Udemy Business
このブログ記事の内容をより広い範囲でとり上げています。
海外チームと英語で仕事をすることになったら必ず役に立つ内容です。
『英語でチームがまとまる・仕事がはかどる!「超入門」異文化間コミュニケーション術』
この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身
スピーキング初心者歓迎!生徒さん募集中です。まずはご連絡ください。
TOEICテストでおおむね600点代~800点代で英語が話せない人が、英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。
ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。
25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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