【お願いを意味するPleaseの使い方】実は上から目線で失礼だった

この記事は英語は話せるけれど、外国人と実際に仕事をした経験がまだなくて、やりとりのマナーに失礼にならないか?と不安を感じる人のためのものです。

Please を付ければ失礼にならないは誤解

目上の人に対するお願いに Please は使いません。Please は丁寧であっても、強制力を感じさせる、命令口調のように響く言い方です。日本語に言い替えたら「やってくださいね!」のようなニュアンスがあります。

ではどのように言えば命令口調日本語でも「~をお願いします」ときっぱり言わないのと同様、英語でも

「~していただけないでしょうか?」
「~していただけるとありがたいです」

にあたる表現があります。
これが使いこなせると例えば社長に対してでも、失礼を避けて、遠慮なくお願い事ができます。
ここでは2種類の上司や目上の人、まだ心の距離がある人に対する敬語表現を取上げます。

①「~していただけないでしょうか?

I was wondering if you could speak more slowly.
「もっとゆっくり話していただけますでしょうか」

“I was wondering if you could speak with short sentences.”
「短いセンテンスで話していただけないでしょうか」 

コツは I was wondering if you could を一気にスラスラ口から出るようにしておくこと。

ただでさえ偉い方に微妙なお願いをするときは緊張して口もなかなか動かない。
であれば本番で言えるように120%できるくらい日ごろから口慣らしをしておきます。

例えば、今日は廊下を歩いているとき、外で信号待ちをしているとき、ずっと口を動かす練習をしよう。
と決めて実行してみてください。必ず口は動くようになります。

あともう一点、お気づきの方もいらっしゃると思いますが      

I was wondering if you could
と過去時制になっています。

英語は would とか could とか、今よりもひとつ前の時制の助動詞を使うと謙虚さがでたり
仮定の話になります。 

もう一つの敬語的な表現は、

「~していただけるとありがたいです」

I would appreciate it if you could~
もし、何々していただけるとありがたいです。

”I would appreciate it if you could send me the approval for contract renewal by the end of the day.”
もし、契約更新の承認を終業時間までに送っていただけるとありがたいです。

日本語でもこういう押しつけがましくならないような言い方をしますね。

ある大企業の外国人役員から直接聞いた話です。
オフィスに戻ったら机の上に契約書が置いてあって、ポストイットが貼ってあった。

“Please sign ASAP.”
なるはやでサインしてください。

 ASAP: As soon as possible できるだけはやく
その話をしながら役員、苦笑していました。私も笑ってしまいました。
ASAPは仲間内のメールや口頭では使いますが、上司やお取引先には使えません。

急ぐときは代わりに

at your earliest convenience.
一番早くご都合がいい時に

という言い方をします。

もしどうしても時間指定があったら文末に by 6:00pm と書いておき、理由が添えられたらいいですね。

丁寧なお願い”Could you please”の使い方と場面設定

ではお願いをする際に Please は使えないのか?と思われる方もいらっしゃると思います。
使う方法があります。

その際は 頭に Could you を付けて

Could you please finish the monthly report by Friday noon?

のようにすればソフトになります。

また、飲食店でサービスをしてくれるお店の方に何かを頼むときも
Please bring me a glass of water.

よりも
Could you please bring me a glass of water?

が丁寧で相手に対するリスペクトが感じられます。
お金の対価としてサービスを受ける場合、お互いは対等な人間関係にあります。
「お客様は神様です」という感覚はありません。

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この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身

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ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。

25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

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