この記事は英語でやり取りをするときに、よく聞く表現だけれど「これって失礼?」と迷う方のための記事です。
“You know,”をよく使うのですが失礼ですか? はい。仕事の場では避けたほうが良いです。
先週、全くの偶然ですが同じ業界の同じ職種の仕事をしている、別々の会社で仕事をしているクライアントさんから同じ質問を受けました。
ご質問の内容は;
海外のプロジェクトメンバーと話していて自分は
「知ってるでしょ?」
という意味で話のつなぎ言葉として
“you know,”
と言っているのですが、これって失礼ですか?
結論から言いますとやめたほうがいいです。親しい友達同士ならよいのですが、仕事上のやり取りでは使わないほうがよい表現です。
なぜかというと話しの合間に you know, you know,を入れるのは、日本語に置き換えると
「でしょ?」
「だよね?」
と自分で勝手に相手の共感を前提にして話をマイペースで進めているようなものだからです。
英語を少し話せるようになった人が、言葉が途切れるのを嫌って文と文の間につなぎとして口癖のように”You know.”を入れたり
ネイティブの人が使っているのを聞いて、かっこいいと思って使っていることもあるようです。
さらにこの You know, のネイティブスピーカーの発音は “イ ノウ” に近く、およそ教育を受けたビジネスパーソンらしい話し方には聞こえません。
さらに始末の悪いことに、You know は口癖になりがちです。はじめはかっこいいと思って誰かの真似をして使っていても、口癖になると治りにくくなりますから、初めからまねをしないほうがいいでしょう。
あるとき” You know, ”ばかり言っている日本人に対してアメリカ人(だったと思いますが)
”I don’t know”
と言い返すのを聞いたことがあります。
アメリカ人の顔は笑顔だったので、少し冗談めかして言っているようでしたが、
繰り返して使われる”You know,” にイライラしたのかもしれません。
避けたほうがいい”You know,”と似てるけど逆にお勧めなのが
”As you might have known”です。
正式な場面で、むしろ使いたい As you might have knownが良いワケ
”you know, ”と似ているようでいて、まったく違う、品格のあるニュアンスなのが
”As you might have known”
です。
直訳すると「既にご存知かもしれませんが」という意味です。これから自分が話すことについて「皆さんがまったく知らないとは思っていない。ご存じかもしれないですね」という謙虚な言い回しです。
プレゼンや説明など、割とフォーマルな場面で相手に対して新しい情報、貴重な情報を紹介する際に、初めから「相手は知らないはず」
と決めつけて話すと、上から目線に聞こえて、相手に不愉快な思いをさせてしまう可能性があります。
一対一の時もあれば、プレゼンテーションなどで大勢を前に話すときにも便利な表現です。
また同じような表現で、説明の冒頭で
“As you’ve already known,” “As you know,”
「あなた(または皆さん)も既にご存知の通り」
と情報を伝える前置きに使うと、聞き手は「もう知ってるなら、何の話かな?」とこちらの話に引き付けられやすくなります。
As は同じことの説明を避けられる前置詞
少し長い話や説明をするときにいろいろ便利な表現があるのが Asです。
as は理由を説明するときに使う前置詞の一つですが、皆が想定している範囲の理由説明に使い、sinceよりフォーマルな響きがあります。
becauseは聞き手にとっては予想しにくい、あるいはたぶん知らない理由を説明する際に使います。
as は例えば
「それについて先ほどお話しましたように」(皆がすでに話を聞いている場面)
”As I talked about it earlier, “
「以前ご説明したように」(これも上記と同様、皆がすでに話を聞いている場面)
“As I explained before,”
のように、もう一度同じ話を繰り返すことを避けられること。
さらに相手がそのことを覚えているか、理解しているかを反応によって確認することができます。
まとめ
“you know,”を使っている人もいらっしゃいますが、必ずしも「知ってますよね」という意味ではなく
ニュアンスとしては
「でしょ?」「だよね?」と会話を自己完結してしまっているような表現です。
仕事中やたくさんの聞き手がいる場面で使うのであれば
「既にご存じかもしれませんが」にあたる
“As you might have known,”
「皆さんがご存知のように」
“As you know”
をお勧めします。
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この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身
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ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。
25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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