この記事では英文メールを書くときに翻訳ソフトを駆使して、読んでもらえる、返事がもらえるメールが書けるようになるためのヒントをお伝えします。
どうやって英文メールを書いていますか?
突然ですが、あなたは英文メールを書くときにどうやって書いていますか?
- ① 使いたい単語を辞書で調べて、辞書の例文のマネをして書く。
- ② 英文メールの例文集で使えそうなものを選んでマネをしている。
- ③ 日本語でメールを書いてから翻訳ソフトを使って英文メールにする
- ④(③)を今度は英語→ 日本語に逆翻訳して、元々のメールと同じ内容になるか確認する
- (③)を英語の出来る人にチェックしてもらう
最近、私のコースにお申込みを検討されている方とお話した時のことです。英文メールを自分で書けないのでオンライン翻訳ソフトを使っています。というお話を聞きました。
近ごろでは翻訳ソフトが進化していて、頻繁に英文メールを書く人の間では重宝がられているそうです。私が英文メールでやり取りを始めたのは30年も前で、①と②の方法を組み合わせて手探りで書いていました。選んだ単語がベストかどうか、確認するすべがありませんでしたが「とにかく用件が伝わればいい」そう思って書いていました。
もし今、そのころの自分が書いた英文メールを見返すことができたらさぞや赤面もののメールでしょう。幸いなことにそのころ書いた英文メールは一通も残っていないので平和な気持ちで過ごすことができます(笑
超人気の翻訳ソフトで
日本語→英文メールに訳してみた!
自分では翻訳ソフトを使うことはないのですが、その方の言うように進歩した翻訳ソフトがどれくらい高レベルなのが試してみたくなりました。
もしそんなに便利なものならば自分の生徒さんにもお勧めしたいですし、一方でもう英文メールの指導は要らなくなるのかな?
仕事の一部を失うかもしれない。とちょっと心配な気持ちにもなりました。
で、実際に試してみました。
翻訳ソフトに打込んだ日本語の文章はまったくの作り話です。マーケティング部の方がこんなふうに他社との提携を持ち掛けるかどうかも不明です(笑
この季節、お肌の乾燥が気になるのでこんな内容になった次第です。
翻訳ソフトに打ち込んだ日本語の文章
<出だし:自己紹介>
ご担当者様
初めてご連絡させていただきます。私は東京に本社がある化粧品メーカーのマーケティング部のYuko Konoと申します。
<自社紹介と状況の説明>
私どもは日本の主要な化粧品メーカーのひとつで肌の保湿効果の高い製品ではマーケットシェア1位を誇っております。もしかすると既にご存知かもしれませんね。
コロナ禍が落ち着きつつある昨今は私どもにとって空気の乾燥が激しいヨーロッパに販路を広げるチャンスだととらえています。
<メインメッセージ>
そこでもし可能でしたら私共と御社の提携についてご提案をさせていただければと存じます。ヨーロッパのトップ化粧品メーカーである御社にとってもたくさんのメリットがある事業だと確信しております。
ご返信をいただけることを楽しみにしております。
=============================================================
すると、日本語をモニターの左半分に入力しているそばから、モニターの右半分にどんどん英語が表示されていきます。このスピードにはびっくりしました。
出来上がった英文は以下のものです(そのママ、コピーしています)
翻訳された英文
==============================================================
<出だし:自己紹介>
Dear whom this may concern,
This is the first time I am contacting you. My name is Yuko Kono and I work in the marketing department of a cosmetics company based in Tokyo.
<自社紹介と状況の説明>
We are one of the major cosmetic manufacturers in Japan and have the largest market share in skin moisturizing products. You may already know us.
Now that the Corona disaster is settling down, we see it as an opportunity to expand our sales channels to Europe, where the air is very dry.
<影の声: ここでようやくメインメッセージですか。。。>
If it is possible, we would like to propose a partnership between us and your company.We are sure that it would be a very beneficial venture for you as a top European cosmetics manufacturer.
We are looking forward to hearing from you.
===============================================
本当はこのあと結辞(Sincerely yoursなど)と署名が入ります。
正直なところ、翻訳された英語の自然さにビックリしました。ほとんどこのまま使える!と思いました。
(すこしだけ直すかな? the Corona disaster→ the pandemic)
ただし、英語版を読み始めてすぐに「!!!」もう読むのをやめた!と思ってしまいました。
ここで一言おことわりしておきますが、私は特に気が短いわけではありません。
ただし英文メールを読み慣れているので、「この人は私に何をして欲しいのかな?」と相手の要求を早く知りたいと、気がせいてしまいます。このメールは日本語なら書いてある順番に違和感がなにのですが、英語だとメインメッセージにたどり着くまでの説明が長い。
「このメールはいったい何?」としびれを切らして読むのを止めてしまいそうです。
もちろん書出しの<出だし:自己紹介>は必須ですが、メインメッセージをもう少し丁寧にして、最初の方に持ってくるのが英文メールの鉄板なのです。
きょくたんな話、読み手にとってはメールの最初の3行くらいで目的がわからないと、特に未知の相手からの場合、最後まで読んでもらえる可能性は低いです。
組織の中で重要なポジションについている人であれば、毎日何100通のメールを受け取るはずですから、全てのメールを開封することはありません。読み始めてすぐに用件が分からないと、読むのをやめて、次のメールに移ります。
読んでもらえる英文メールはタイトルと構成が命
ではどうしたら進化を続ける翻訳ソフトを賢く利用して相手に読んでもらえる英文メールが書けるかと言うと。。。
タイトルの工夫と構成を英文メールの「型」に組みなおすことです。
<読んでもらえるタイトルの作り方>
何が書いてあるのかをタイトルで伝えるためには;
- ①メインメッセージを一文で作る。
- ②(①)の文章から動詞、be動詞を抜いて名詞句にする
というのが原則です。今回は長くなるのでまた別の機会に詳細を書きます。
一方、翻訳ソフトを使って英文にした文章を英文メールに活かすには、英文を段落ごとに「英文メールの基本構成」に当てはめます。
<英文メールの基本構成>
- ① タイトル
- ② 宛名(ここでは Dear whom this may concern: 担当者の名前がわからない時)
- ③ 初めての相手であれば自分の名前と所属組織+強みなど簡潔に
- ④ 相手にお願いしたいこと(メインメッセージ)
- ⑤ お願いの背景説明
- ⑥ 結辞(Sincerely yours など)
- ⑦ 署名(自分の名前、所属)
まとめ
オンライン翻訳がどんどん精度を上げ続けている昨今。それを仕事に活かさないのはもったいないです。ただし英文の精度があがってもメールの受け手が「読みたい」「読み続けられる」メールの構成にしなければ読んでもらえません。
そのためにはメールの内容が一読でわかるタイトルを付けること。更にメールの3行目くらいまでにメインメッセージを入れること。説明はその後です。
正しい英文メールの基本構成に、翻訳された英文をあてはめればあなたの英文メールの自由度はかなり上がります。とはいえ究極のことを言えば翻訳ソフトに頼らず、それほど多くない慣用表現を身に付けてしまったほうがコピペの手間も要りません。
さらに、書き手の気持ちのこもった英文メールを書くことが出来ます。読み手にこちらが思っている行動を取ってもらうにはやっぱり感情が大切。
おっ、それいいね!
面白そうだね!
と思ってもらえるような英文メールが書けるようになれば、しめたものですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。