この記事では自分の経験・知識を生かして50代、60代になっても企業に必要とされ、気持も満たされた生活を送れる人と、そうでない人の決定的な違いをお伝えします。
日本の大企業では50歳、または55歳になったときに研修という形で、60歳以降のキャリアを考える機会が与えられるところが少なくありません。
でも、長年、採用・人材育成の仕事をしてきた私の目からは「50歳になってから会社の用意した選択肢から今後のキャリアを決める」のでは遅すぎると感じています。そこからでは選択肢が限られてしまうからです。
実際、大手外資系企業でさえ60歳定年以降は多くが1年単位の雇用契約更新です。
お給料はそれまでの金額の良くて6割、また日本企業の場合の多くは5割まで引き下げられます。
そして仕事の担当と量は変わらない。せっかく雇用の延長をしても収入はダウン、役職はなし。モチベーションを保つのは難しいでしょう。
いっぽう40代後半、50代で組織をリードしていく「会社にとって必要な人材」として活躍するようになる人たちは40代前半で頭角を現すケースがほとんどです。社外からの引き抜きで大出世する方もいます。
そのような方々はどのような40代前半を送るのでしょうか。
40代前半で管理職になり、かつ英語で仕事ができる人たちのキャリアパス
サクセッションプランという言葉を聞いたことがありますか?
私は2つの大手外資系企業でそのプラン作りに参加していました。現職の重要なポジションの方の後継者を育成する計画のことです。
選ばれるための条件が決められていて、その条件に該当する30代後半から40代前半がノミネートされています。
その条件の詳細は会社によって異なりますが、おおよその共通点は;
・ 業績優秀であること(たとえば3期連続最高評価を取得など)
・ 仕事ができるレベルの英語力があること
・ リーダー的立場で仕事をしていること(40代前半なら管理職)
実際、そのリストに載っている人は積極的で、自分から取りに行くタイプです。
チャンスが来た時にそれに乗れるような準備を日ごろから怠りません。
語が仕事で使えるレベルに達している、リーダーシップやマネージメントについて学ぶ機会を設けている、社外ネットワークも持っているなど、自分のキャリア、人生の準備を幅広く進めています。
彼ら、彼女たちは海外からのVIPや社外からのゲストを迎えて講演を行うような席で、積極的に手を上げて英語で質問をします。
また自分から事業部長に提案を持込み、意見を聞く。決して賑やかで目立つというタイプの人たちではないけれど、必要なことは自分から気付いて、発信して、周囲の共感を得るという人達です。
そういう人たちは、海外本社や事業所で1年程度の駐在を経て帰国後に昇進、高い業績を上げたかと、思うと他社の高いポジションに転職することはよくあることです。
他社に移らなくても事業会社のトップに就任する例もありました。私がいた、製薬業界・医療機器業界ではそのような例は少なくありませんでした。
それとは対照的に、管理職になってもリーダーシップを発揮せず、英語での発信(話す、書く)ができない方たちによくみられるパターンについても触れたいと思います。
50代になったとき英語ができず、リーダーシップを発揮できなかった人の末路
私がいた大手外資系企業のひとつはMarger and Acquisition (M&A)が盛んでした。
会社を買収すると、2つの組織が一緒になるので、同じ職務を持った人間が重複します。
その結果、事業を効率化する目的でどちらか一方は異動するか退職することになるのです。
その際に前出のサクセッションプランの時と同様、業績優秀、バイリンガル、リーダーシップなどの条件で2人を比較し、当然条件をより満たす方が残ります。
そうでない方はパッケージと呼ばれる、積み増した退職金と再就職支援のプログラムを受け取って退職します。
実際、M&Aのさなかに私は合併したばかりの人事部に異動となり、同じビルの今までとは違う上の階に席を移しました。継続して在籍、それもありがたいことに昇格人事でした。
そして自分の片腕として大変信頼している、また尊敬もしている年上の部下の方も後から異動してくると思っていたのですが・・・
なかなかその方は私の階に引っ越してきません。
あるときエレベーターホールでその方とばったり会いました。すると彼は深くお辞儀をして
「申し訳ございません。私はこれから先、ご一緒できないことになりまして。。。」
と思いがけないことを伝えられました。私はどういうこと?と思いながら
「どうしたんですか?」と聞いたところ
「CFOから直接呼び出されて、新しい組織に席が用意できないと言い渡されました」
あまりにショッキングな言葉でした。
本来なら上司である私から話すところを、私を飛び越して知らない間にCFOから退職を余儀なくされていたとは。
その方が退職することになった理由は「まったく英語ができないので会議に参加できないから」ということを後で聞きました。
仕事はできる人でした。
とくに労務問題の解決力がすばらしく、社員からの信頼も厚かったと思います。
でも英語で仕事ができない。それだけで居場所がなくなってしまうという、私がそれまで経験したことのない事件でした。
とはいえ毎日リアルやオンラインでの会議がある多国籍企業では、仕方がないことなのかもしれません。
私のプロフィールに書いた「英語ができないばかりに活躍できない人の力になりたい」というのはこの出来事が元になっています。
こういった、リーダー的立場でない、英語ができない人の居場所がなくなる現象は、以前は大手外資系でだけ起きていたことです。
でも近頃は日本の大企業でも起き始めたと聞いています。
コロナ禍でオンラインツールの普及によって海外と直接やり取りをするグローバル化が一気に浸透したことも一因でしょう。
まとめ: 英語力とキャリア
この記事で書いてきたことは、おおよそ以下のようになります。
50代以降も自分自身の適性、専門性、知識とスキルを発揮して活躍できる人に共通してみられることは;
- 日本語の時と同じレベルで英語でもあたりまえに仕事をしている
- みずから自己啓発の機会をつくり、学びを継続している
- 英語で発信して周囲や組織の上層部に働きかけ、気持を動かして協力を得て大きな仕事の結果も出している(リーダーシップ)
- 英語を通じて広い情報源から最新のものの味方、アイデアを他人を介さずに直接アクセスして取り入れている
今までは上記の行動特性は一部の外資系企業でリーダーに必要とされるものでした。
でもITの急速な発展と普及によりグローバル化が一気に進んだ今は、日本の大企業でも業務上に必要な要素となりつつあります。
私自身も自分の生徒さんの所属企業が外資系中心から日本の大手企業に移ってきていること、生徒さんから聞く業務の様子からそう感じています。
さらに、ビジネス英語コミュニケーションのコースを修了されて1年以上たってから「このたびアメリカ駐在になることになりました」「来年4月からアメリカでアメリカ人部下を持ちます」といった報告を受けるようになりました。
その方々はいずれも40代前半で長年苦戦してきたビジネス英語を克服されて、それ以降、思う存分リーダーシップを発揮して活躍されています。
そのためにも「ビジネス英語コミュニケーション力」を40代前半のうちに伸ばすことは不可欠なものでした。
もしあなたが今、40代前半で
・ 自分の実力を発揮してリーダーとして活躍したい
・ 思い描いた理想の50代を迎えたい!
と思っているとしたら英語力の伸ばし方と、キャリアプランまで相談できる有料カウンセリングの情報をご覧ください。
夢を実現するために英語力を伸ばす方法、50代以降も安心して働くためのキャリアの展開方法がはっきりします。
この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身
スピーキング初心者歓迎!生徒さん募集中です。まずはご連絡ください。
TOEICテストでおおむね600点代~800点代で英語が話せない人が、英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。
ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。
25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』
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