外国人ゲストのおもてなしに英語で説明するお寿司屋さんの仕組みとマナー

今、海外からくる観光客に人気の和食メニューと言えばラーメンと寿司です。
でももし仕事関係のゲストをおもてなしするとしたら、おもてなしの特別感という点で、お寿司となることでしょう。

この記事では外国人ゲストをお寿司屋さんにご案内する際にホストであるあなたが説明してあげると喜ばれるお寿司屋さんの仕組みと客としてのマナーについて解説します。

またお寿司屋さんは全てがセットになっている高級店ではなく、お好みにも対応してくれるカウンター席のお寿司屋さんの想定です。
お寿司屋さんの仕組みやマナーを説明するためのシンプルな英語フレーズも取り上げますので必要に応じて参考になさってください。

記事の最後に同様の内容の簡易版YouTube動画もあります。

Assorted Sushi set

1. ガリとお茶、おしぼりは無料であること

外国人がお寿司屋さんでびっくりするのは、頼んでもいないのにガリとお茶とおしぼりが出てくることです。
これは日本独特の無料のおもてなしです。外国ならお水でさえ有料で、普通のお水にするか、炭酸水(Gas Water)にするか聞かれます。

更に温かい緑茶がきちんとした湯のみで出てきたら、あとで請求されるのではないかとびっくりします。
でもこれは日本の習慣で、おもてなしだと教えてあげましょう。
おもてなしという単語はよくHospitalityと言いますが、それを形に表したモノをComplimentと言います。

ガリとお茶とおしぼりはオモテナシで無料です。

The ginger pickles, green tea and the towel are compliments for the guest.  
They are free.

と伝えるといいでしょう。

2. お通し

お通しは注文しなくても出てくるのに有料で、あとでチャージされますね。
日本人には当たり前のお通しという習慣は、日本で外国人観光客が増え始めたころ、ずいぶん話題になりました。
外国人からすると頼んでない小鉢料理が出てきて、しかも有料。要らない、と抗議する外国人もいたそうです。

説得力のある説明としては

日本ではチップの習慣がないので、小さな料理を含むテーブルチャージがあります。
普通チップを払うよりも安いです。

Japanese restaurants don’t ask you for a tip.
Instead, there is a table charge that includes a small dish.
It’s usually less expensive than a tip.

3.注文の仕方が3とおりあること

回転寿司でないお寿司屋さんの場合、注文の仕方には通常3つの方法があります。
それは「おまかせ」と「お好み」と「松竹梅のセット」の説明です。
もちろんあなたがこれがおすすめ、と決めてもいいですが、もし相手の希望をかなえてあげたいなら説明できるといいですね。

大将のおまかせは握ってくれるお寿司屋さんの選択なので Chef’s choice.

「お好み」なら 

一つずつ好きなものを注文できます。

You can order what you like one by one.

でもよいでしょう。

最後の「松竹梅」は

「値段が松竹梅という3段階の詰め合わせの寿司セットがあります。
値段は寿司ネタの種類によります」

という説明をするなら

There are three ranks of assorted sushi set – premium, standard, and basic.
They are priced according to the type of toppings.

でよいでしょう。
「松竹梅」はお店の壁に値段だけ3段階書いてあると、日本の習慣を知らない外国人は
「あの数字が並んでいるのはなんですか?」と聞いてきますので説明してあげると親切でしょう。

お店の人は「おまかせ」や「おこのみ」より、松竹梅がお得なのに、と不思議に思うかもしれませんが
滅多に来られない日本に来ている外国人にしてみれば日本に居る間、奮発して「おこのみ」で高級ネタを食べたい人がほとんどのようです。

ご参考までに外国人に人気の寿司ネタは一位から サーモン、まぐろ、エビで最近は4位にホタテが来ます。
最近は日本のウニ、いくらも人気が出てきました。英語ではそれぞれ

ウニ Sea urchin
いくら Salmon roe

と言います。

4. お寿司をお箸で食べるか指でつまむか

お寿司をお箸で食べるか指でつまむかは、日本人でも迷うところです。

通の方は指でつまんで、すし飯には醤油がつかないように、お寿司のわきの部分をしょうゆ皿にちょっとだけつける。と言いますね。

外国人ゲストの場合、お箸でも指でもどちらでもいいですよ。と教えてあげるなら

You can eat sushi with either chopsticks or your fingers.
Either way is fine.

5.品格のある値段の表現

こちらがおもてなしをする際は値段の話をすることはあまりないかと思いますが、もしゲスト側から寿司の値段についての質問がでたら、説明するときに気を付けたい表現があります。
うっかり言うと下品に聞こえるのが値段が「高い、安い」のと言うときの単語の選び方です。

まず「値段が高い」と言うときにExpensiveと言いがちです。
でもくつろいだご飯を食べる場面では少し固いのと、「高い」という直接的な言い方なので

すこしお高いですね。

It’s a bit pricey.

と言うと柔らかくなります。
逆に「安い」と言いたいときに cheap は避けたほうがいいでしょう。
というのも cheapという言葉には、中身も安っぽい、品質がよくないというイメージが付きまとうのでお寿司のイメージが悪くなります。

代わりに、「お高いよりも少ない」という表現の 

Not too pricey.

のほうが上品に聞こえます。

6. 意外に知られていない宗教上の制約

海外からのゲストをお招きするとき、お肉については牛肉や豚肉など宗教上の制約に配慮することが多いですが、
お寿司屋さんの場合も気を付けたいことがあります。それはユダヤ教の方です。

「エラとウロコがない海の生物」つまりイカ、タコ、エビ、カニ、ウニといった寿司ネタを食べてはいけない」という制限です。
先日、実際に近所のお寿司屋さんで隣の席にいたユダヤ教のお二人から注文のお手伝いを頼まれました。

そのとき彼らが私に言ったのは「イカとタコとエビ以外のFishをお願いしたい」という表現でした。
お寿司屋さんは不思議そうな顔をしていました。

そして余談ですが、そのお二人とおしゃべりをするうち、私がロンドンで学生をしたことがあると言ったところ、
お二人とはロンドン大学の同じカレッジの出身だったことが分かって、お互いとても驚きました。 What a small world!!!

まとめ:

お寿司屋さんは日本人にとっても、海外から来た人にとっても日常生活から離れた特別な場所でしょう。
ただし日本独特の仕組みやマナーがあるので私たち日本人が適度にサポートをしてあげることで、外国人ゲストも気持ちよく過ごせて
お寿司屋さんでの食事は思い出に残ることでしょう。

以上の内容の簡易版が動画でもご覧いただけます。

この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
東京都青梅市出身

スピーキング初心者歓迎!
TOEICテストでおおむね600点代~800点代で英語が話せない人が、英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。

ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。

25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

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『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』
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