英語学習をずっと続けているのに、なかなか話せるようにならない。何とかしたいと思いますよね。そういうご相談はとても多いです。
ベストセラーの英単語集を5周したのに話せない。
オンライン英会話で単語は思いつくけど、話そうとすると言葉の順番が分からなくなる。
この記事では英語中級者がスピーキング力を確実に伸ばして英語で仕事が出来るようになるために今すぐやるべき英語学習法3つを紹介していきます。
10,000語制覇しても話せない
1.自分の仕事に必要な単語と言い廻しから増やす方法
必要は発明の母という言葉をご存知の方は多いことでしょう。
実は英語の学習にも似たようなことが言えます。
自分の仕事に必要な英単語と言回しからひとつひとつ克服していくのが効果が確実にでる最短の方法です。
大型書店に行くと、英単語や慣用表現を集めたテキストが、一つの家一軒分くらいの広さを取って陳列されています。
でもベストセラーの単語集の単語を片っ端から覚えたところで「使わない単語・慣用表現」はせっかく覚えても、必ず忘れます。
もし仕事で英語を話せるようになりたくて英単語を覚えるなら、仕事でやっていることを説明するための英単語を増やしていきましょう。
自分の生活にまったく関係のない単語は覚えにくく、ようやく覚えても使わない、思い出す機会がないので定着しにくく、忘れやすいです。
単語を覚えて、使えるようにするには、単語の調べ方にコツがあります。
それは意味を調べるだけでなくて、どんな発音か、どこにアクセントがあるか調べて実際に口に出すこと。
そのとき単語のコロケーション(collocation)も調べます。コロケーションとは相性の良い組み合わせのことで例えば
「presentation をする」というときに「する」に当たる自然な動詞は何かというと
give a presentationまたは
make a presentation です。
do a presentation とは言いませんよ~。
コロケーションを知るためには辞書に書いてある例文まで読んで、名詞なら前に来る動詞、動詞なら後に続く名詞にはどんな英単語が来るか確認して口慣らしもしておきましょう。
そして「自分単語帳」を作って自分の仕事の場面を思い浮かべて自分バージョンの例文を作って記録、それで発話練習をします。
英語が話せる近道『自分単語帳』とは?
『自分単語帳』とは自分が使う単語だけを優先的に集めた自作の単語帳のことです。
エクセルシート、または見開きのノートに線を引いて作ると良いでしょう。
こちらに私のところにいらっしゃる生徒さんに作ってもらっている単語帳の見本を載せておきます。
これは管理職の方が仕事をする上で必須の「人・モノ・お金・情報」に関する200語の一部です。
もしあなたが毎月「月次報告書」を上司に提出しているとして、例えば「月次報告書」は英語でなんて言うのかな?と思ったら調べます。
オンライン辞書でもいいですし、AIに聞いてみても良いでしょう。
「月次報告書」 → monthly report (毎月の報告書)
という英単語が出てくると思います。その単語を使って自作の例文を作ってみてください。
実際の仕事の状況を説明する文章をつくると、英語で説明できる自分の仕事内容がひとつできることになります。
I submit the sales monthly report to my supervisor.
私は営業月次報告書を上司に提出します。
また、仕事で使う文章を作るときに役立つのが自分の会社の英語版のホームページだったりします。
インターネットで検索するすべての人向けにサービスや製品について英語で説明してあるはずです。
自社製品の説明をどんな単語、特に名詞と動詞のコロケーションで説明しているかを参考にしましょう。
もし英語版のホームページがなくても、今ならAIを使って自分が使いたい部分の文章を翻訳してもらってもいいでしょう。
ただし、AIにプロンプト(指示文)を入力する際、フォーマリティ(どれくらい正式か、カジュアルか)を指定します。
例えば;
「顧客向けのプレゼンで使える言い回しでお願いします」など話す相手や場面の情報を入れると場違いな表現は避けられます。
AIは空気を読んだり、察してくれたりしないので、出来るだけ言葉化して具体的に伝えます。
自分単語帳を使っての「記憶に残る覚え方」は上記の単語帳見本の冒頭に書いてある手順を参考になさってみてくださいね。
2.自分が伝えたい意見や情報を手短かにまとめる練習をする
『自分単語帳』を作って、自分の仕事の設定で作文をして口慣らし。
これをコツコツ繰り返すだけで3か月もせずに、自分の仕事について説明できるようになることでしょう。
うちのご近所のお寿司屋さん(創業120年!)のご主人、御年78歳は最近めきめきと英会話が上達して、
海外からのお客様に松・竹のコースの説明、「わさびあり」と「さび抜き」の説明をして注文を取ります。
「どうやって話せるようになったんですか?」と聞いたら
「だって、言いたいことを英語で作文して、毎日言っていたら言えるようになっちゃうよ」
と、さも当然のように言っています。
まささに『自分単語帳』で自分の仕事を説明する文章を作って、言う練習をする。を毎日の仕事の中で実践しているのです。
そしてあなたも、言えることが増えてきたら次にするのがこの「自分が伝えたい意見や情報を手短かにまとめる練習をする」です。
英語でのやり取りって、zoomでも対面でも、その場で「あなたはどう思いますか?」とか、「一番新しい情報はどうなってますか?」と
ズバット聞かれることが多いですよね。
日本語の会議だと、上司や役員が何を言うか聞いてから、それと対立しないように話す内容を決めるのが習慣になっているかもしれません。
もしあなたもそうだとすると、自分の意見は何?わからない。。。と日本語でまとまってないことには、当然英語ではも話せません。
英語は 主語+動詞+目的語
というとても具体的な言語ですから、その形に合わせて自分の考えをまとめる練習をしましょう。
初めから英語で練習するのはハードルが高いと感じたら2ステップで練習します。
ステップ1
日本語で自分が伝えたいことを決める練習。
ステップ2
伝えたいことを「自分が話せるシンプルで短い英文」にする練習。
この時も今ならAIが使えます。
また難しい長い文章で「ぺらぺら」と話すことは考えないほうが良いです。
というのもネイティブスピーカーの英語でも、話が長くて早口の人が話している内容は、ノンネイティブスピーカーからは嫌われがちです。
英語を母国語をしない人も含めて、なるべく多くの人に伝えたいと思ったら
シンプルな構文の短い英文 で話すことをお勧めします。
3.自分が作った英文を実際に口に出して話す練習をする
ここまでで、自分が使う単語や表現を増やして自分で作文をする。
さらに発言するときの意見をまとめるという学習法をご紹介してきました。
だいぶたくさんの英単語や言い回しに馴染んできていることと思います。
いよいよ話すためのアウトプットのトレーニングを始めましょう。インプットをインプットのまま終わらせずに、口に出してアウトプットしてみてください。
インプットした英単語や、言い回しは口に出して繰り返すことで定着します。
初めは口が思ったように動かないかもしれませんが、何度も何度も練習してみてください。
私も初めての英単語や言い回しは、初めは言えなくても何度も練習して口が動くようにしています。
先ほどご紹介したお寿司屋さんのご主人は気づかずに、まさにその練習を実践していることになります。
それもお客様に対して繰り返して話すことで、自分の仕事が英語で出来るようになったので
口を動かして声に出して、それを自分の耳で聞くことで記憶が上書きされます。
さらに声に出しながら、言っていることのイメージを頭に思い浮かべて感情を動かすと、脳の海馬というところが偏桃体と連携して、
自分が言ったことを耳で聞いて起きる「感情的な経験」をより強く記憶するのを助けるそうです。
まとめ
この記事ではスピーキングが苦手な英語中級者が、英語で仕事が出来るようになるために今すぐやるべき3つの勉強法を順を追ってご紹介しました。
1.自分の仕事に必要な単語の『自分単語帳』を作る
2.自分が伝えたいことを手短かにまとめる練習をする
3.自分が作った英文を何度も何度も口に出して話す練習をする
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この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
上智大学新聞学科 1983年卒業
ロンドン大学 Goldsmiths College
心理学部 大学院 2000年卒業
東京都青梅市出身
日本第1号の仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.0 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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